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WORDISTAコンレポ「勿忘草と川の関係」

ついにNEWSのツアー「WORLDISTA」がオーラスを迎えましたね!参戦された方、NEWSのみなさま、お疲れさまでしたー!

さて、今回は題にもある通り、WORLDISTAに3年ぶりにセトリ入りした「勿忘草」の演出について考察していきます。

 

突然ですが、みなさんは「勿忘草」の花言葉をご存知でしょうか?私はこの曲が「KAGUYAの通常盤カップリング曲としてリリースされるまでこの花の存在すら知らなかったので、もちろん花言葉を知ることもなかったですし、その上、花言葉をわざわざ調べるようなことも特にせずにいました。

ただ今回WORLDISTAでの演出を観て、改めてこの曲の美しさに感銘したので、この花について、そして歌詞について、色々と考察してみることにしました。

 

 

 

始めに、この曲のWORLDISTAにおける演出として特徴的なのが「水の上での歌唱」ですよね。メンバーが水の敷かれた縦花道に散り散りとなりしっとりと歌い上げます。以前このブログ内でセトリ順に感想を載せていて、そこでも記述しているのですが、かねてからこれが私には川に見えていました。抑えめの月明かりのような照明が水を照らし反射させ、まるで川の上に立っているかのような神秘的な演出になっていて、とても印象に残るステージとなっています。

 

勿忘草の花言葉は「真実の愛」「私を忘れないで」

 

これは中世ドイツの悲恋伝説から得た言葉だそうです。

ある騎士が、川の岸辺に咲く花を恋人の為に摘もうとし岸を降りると、足を滑らせ川の流れに飲まれてしまいます。騎士は最後の力を振り絞り、花を岸に投げこう言いました「Vergiss-mein-nicht!(私を忘れないで!)」残された恋人は、騎士の墓にこの花を手向け、彼の最後の言葉をこの花の名前にしたそうです。

このような伝説から、この花の名前は当地ドイツで Vergissmeinnicht と呼ばれ、英名もその直訳の forget-me-not。そしてそれ以外の多くの言語でも、同様の意味の名前が付けられているそうです。(引用元:ワスレナグサ - Wikipedia

 

今回の演出に水を使ったのは、この伝説に登場する川を表現したかったからではないでしょうか。

この曲は古風な言い回しとワンコーラスで終わるという特徴があり、最初はまるで和歌のような印象を受けます。でも、この物語を知った上で歌詞を見てみると、フレーズの節々から残された恋人が騎士を思い返す気持ちを表現している事に気づき、この伝説の世界に引きずり込まれるような錯覚に陥ります。

 

さあ、歌詞を読み解いていきます。

遠き懐かし 日々の名残は 今も変わらずにあれど 手をのばせば消えてゆく あなたの香り

今も変わらぬ川を眺めつつ、最愛の人との日々を思い出す。ふと彼の香りを感じて手を伸ばしてみたけれど、川の流れと共にその幻は消えてしまう。

愛しくもあなたは見えず 見えぬまま微笑みいたる 春の花それは麗しき 風に舞う もののあはれ

今でも愛するあなたは、悲しくも目には見えない。それでもきっと、私に微笑んでいる事でしょう。あの日と変わらずに美しく咲く勿忘草が風に舞った時に私はまた、しみじみとあなたを思い出すのです。

と言ったところでしょうか。

 

もう一つ演出として、ジャニーズJr.の渡辺くんが、メンバー一人一人の周りで繰り広げるコンテンポラリーダンスが特徴的ですね。この伝説を踏まえた上で渡辺くんの存在を考察してみると、可憐に舞う姿から花の姿そのものを体現しているかのように見えてきますし、失くした人を真実の愛で思い続ける女性にも見えてくる。川に命をさらわれた騎士の姿も彷彿とさせたり、更には命を奪った川の激流に見えてくる時もあります。NEWSを語り部としたならば、渡辺くんはその物語を体一つで表現する演者ですね。

 

ここまで色々語ってきましたが、これはあくまで考察にすぎません。しかし、今まで何となくに聞いていた普遍的な恋物語の歌が、私の中でこんな風に頭角を現してきました。調べる事がなかったら気づかなかった「勿忘草」の真髄です。

 

映像化されて、今一度この演目の美しさに、いち早く触れたいと願うばかりです。

ここまで読んでいただきありがとうございました!